中学受験を目指すにあたって、「数式や公式を覚えること」は避けて通れません。しかし、ただ暗記するだけでは意味がなく、「意味を理解して、使いこなす」ことが本当のゴールです。
この記事では、中学受験に必須の公式や考え方をジャンル別に整理して紹介します。受験生本人はもちろん、保護者の方にも役立つ内容となっていますので、ぜひご活用ください。
図形の公式編
図形問題は中学受験で非常に頻出です。面積・体積の基本公式は必ずマスターしましょう。
面積の公式
- 三角形:
(底辺 × 高さ) ÷ 2
- 台形:
(上底 + 下底) × 高さ ÷ 2
- 平行四辺形:
底辺 × 高さ
- ひし形:
(対角線 × 対角線) ÷ 2
- 円の面積:
半径 × 半径 × 3.14
- 円周:
直径 × 3.14
体積の公式
- 立方体:
1辺 × 1辺 × 1辺
- 直方体:
たて × よこ × 高さ
- 円柱:
底面積 × 高さ = 半径 × 半径 × 3.14 × 高さ
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速さ・時間・道のり(速さの三公式)
文章題では「速さ・道のり・時間」を扱う問題が非常に多く出題されます。
- 速さ = 道のり ÷ 時間
- 道のり = 速さ × 時間
- 時間 = 道のり ÷ 速さ
※「はじきの法則」と呼ばれる図で理解すると、より覚えやすくなります。
詳しくはここから!

割合・百分率・歩合
割合の考え方は、計算問題から文章題まで幅広く登場します。
- 割合 = くらべる量 ÷ もとにする量
- 百分率の変換: 100% = 1、50% = 0.5、25% = 0.25、120% = 1.2
- 歩合:1割 = 10%、1分 = 1%、1厘 = 0.1%
文章題に強くなるための特殊な考え方
中学受験特有の「思考系文章題」には、次のようなテクニックが有効です。
和差算
和差算とは?
「2つの数の合計(和)」と「差」がわかっているとき、元の2つの数を求める方法
- 大きい数 = (和 + 差) ÷ 2
- 小さい数 = (和 – 差) ÷ 2
✏️ 例題で理解しよう!
例題:
あるクラスに男子と女子がいます。男子と女子を合わせると40人。男子は女子より6人多いそうです。
男子・女子の人数をそれぞれ求めなさい。
🧩 解き方:
- 和(合計)= 40
- 差(男子 − 女子)= 6
➤ 男子の人数(大きい数):(40 + 6) ÷ 2 = 46 ÷ 2 = 23人
➤ 女子の人数(小さい数):(40 − 6) ÷ 2 = 34 ÷ 2 = 17人
つるかめ算
- 解法:全体の差を「差額」で割って数量を出す
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旅人算
- 出会うまでの時間 = 距離 ÷(速さの合計)
- 追いつくまでの時間 = 距離 ÷(速さの差)
詳しくはここから!

植木算
- 両端に木がある: 木の数 = 間の数 + 1
- 両端に木がない: 木の数 = 間の数 − 1
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時計算:角度の公式
- 時計の針の角度差:
|30×時 − 5.5×分|
この式は、アナログ時計の中で
「時針と分針がつくる角度(度数)」を求めるためのもの。
30 × 時
:時針が0時から進んだ角度(1時間で30度進む)5.5 × 分
:分針の進みと、その間に時針も少し動く影響を合わせたもの
時針は、1分間に 0.5度 ずつ進むので、
60分では 0.5 × 60 = 30度(=1時間分)進む!
例題1:3時20分のときの角度差は?
角度差 = |30×3 − 5.5×20|
= |90 − 110|
= |-20|
= 20度
→ 3時20分のとき、時針と分針のなす角は20度!
詳しくはここから!

おわりに
ここで紹介した数式・公式は、中学受験に向けて「最低限覚えておくべき内容」です。
大切なのは、公式を覚えるだけでなく、「いつ、どの場面で使うのか」をしっかり理解しておくこと。日々の問題演習の中で、繰り返し使いながら自然に身につけていきましょう。
中学受験はマラソンのようなもの。正しい知識を味方にして、一歩一歩確実に進んでいきましょう!
FAQ よくある質問
中学受験で必ず覚えておくべき公式とは?
中学受験では、図形の面積・体積、速さ、割合、和差算、つるかめ算などの基本公式を正確に理解しておく必要があります。これらは頻出であり、応用問題にも直結します。
速さの三公式とは?
速さの三公式とは、「速さ = 道のり ÷ 時間」「道のり = 速さ × 時間」「時間 = 道のり ÷ 速さ」の3つの関係式です。はじきの図を使うと視覚的に覚えやすくなります。
和差算とは?使い方は?
和差算とは、2つの数の「合計(和)」と「差」から、それぞれの数を求める方法です。大きい数は(和+差)÷2、小さい数は(和−差)÷2で求められます。
時計算の公式とは?
時計算では、時針と分針の角度差を求める公式「|30×時 − 5.5×分|」がよく使われます。出会いや重なりの問題にも応用される重要な考え方です。
公式を効率よく覚えるにはどうすればいい?
単なる暗記ではなく、実際の問題で何度も使ってみることが効果的です。図解やイメージとセットで学ぶと、記憶にも残りやすくなります。
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