古文単語300語一覧|中高生のための古文学習

古文単語300語一覧|中高生のための古文学習 国語
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「古文ってむずかしそう…」「単語が覚えられない」そんな声をよく耳にします。
でも実は、頻出古文単語をしっかり覚えるだけで、読解力は大きく変わるんです。
このページでは、中学生・高校生向けに厳選した古文単語300語を、意味・例文つきで解説しています。
さらにジャンル別に整理してあるので、分かりやすい!
自宅でのオンライン学習や受験勉強にもそのまま使える構成で、今日から学習をスタートできます。

 

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① 感情・心情をあらわす言葉

「うれしい」「悲しい」「しみじみする」など、人の心の動きや感情をあらわす古語です。
平安時代の人々は、心の動きをとても大切にしていました。このカテゴリでは、「あはれ」や「をかし」のように、文学作品によく出てくる感情に関わる語を集めています。古文特有の繊細な心の表現を理解するために、とても大切な語です。

 

1. あはれ
しみじみとした感動、哀れみ、感情の深まりをあらわす言葉。
例文: あはれなる人のけしきなり。
現代語訳: しみじみとした趣のある人のようすだ。

 

2. をかし
趣がある、美しい、おもしろいなどの肯定的な感情を表す。
例文: 春はあけぼの。ようよう白くなりゆく山ぎは、をかし。
現代語訳: 春は夜明けがいい。だんだん白くなっていく山の端が、趣深い。

 

3. うつくし
かわいらしい、愛らしいという気持ちを含んだ語。
例文: いとちひさくて、うつくし。
現代語訳: とても小さくて、かわいらしい。

 

4. なつかし
親しみがあって心ひかれる、いとおしいという意味。
例文: なつかしき人のもとに参らむ。
現代語訳: 親しみのある人のもとへうかがおう。

 

5. かなし
愛しい、心が引かれる(※現代語の「悲しい」とは違うことが多い)。
例文: 子をかなしく思ふ親の心。
現代語訳: 子をいとおしく思う親の気持ち。

 

6.いたはし
大切にしたい、気の毒だ、いたわりたい気持ち
例文:いたはしき人なりけり。
現代語訳:いたわってあげたい人であった。

 

7. こころうし
つらい、いやだ、気が重い。
例文: 心うく思ふこと多かりけり。
現代語訳: 気が重く思うことが多かった。
補足:「心憂し」は「心が痛む・辛い」という心情語。

 

8. こころにくし
奥ゆかしい、上品で心ひかれる。
例文: いと心にくきものかな。
現代語訳: とても奥ゆかしいものだなあ。

 

9. あいなし
つまらない、気に入らない、筋が通らない。
例文: あいなきことを申すな。
現代語訳: 筋の通らないことを言うな。

 

10. あさまし
驚きあきれるほどだ、情けない。
例文: あさましく思ひたまふ。
現代語訳: 驚きあきれてしまいます。

 

11. むつかし
不快だ、うっとうしい、気味が悪い。
例文: むつかしきものども。
現代語訳: 不快なものたち。

 

12. うれふ
悲しみを訴える、嘆く。
例文: さまざまにうれへたまふ。
現代語訳: いろいろと悲しみをお訴えになる。

 

13. かしこし
恐れ多い、すぐれている、賢い。
(文脈によって意味が変わる語)

 

14. かたじけなし
恐れ多い、ありがたい、申し訳ない。
例文: かたじけなく涙こぼる。
現代語訳: 恐れ多くて涙がこぼれる。

 

15. めでたし
すばらしい、感動的だ。
例文: めでたき音にて舞ひけり。
現代語訳: 素晴らしい音で舞った。

 

16. あたらし
もったいない、惜しい。
例文: あたらしき人なりけり。
現代語訳: 惜しい(価値のある)人だった。
補足:現代語の“新しい”とは意味が異なる。

 

17. こころぐるし
気の毒だ、つらい、心苦しい。
例文: こころぐるしく思ひたまふ。
現代語訳: 気の毒に思います。

 

18. こころざし
愛情・誠意・思い。
例文: 心ざしのほどこそ見ゆれ。
現代語訳: 誠意のほどがわかる。

 

19. しのぶ
人目を避ける/思いを心に秘める。
例文: 忍びて訪ふ。
現代語訳: 人に知られないように訪ねる。

 

20. つらし
薄情だ、冷たい、耐えがたいほどつらい。
例文: つらき御言葉に涙こぼる。
現代語訳: 冷たいお言葉に涙がこぼれる。

 

21. いとほし
気の毒だ、かわいそうだ、いとおしい。
例文: いとほしき子をかへりみず。
現代語訳: 気の毒な子を顧みなかった。

 

22. ねたし
しゃくにさわる、うらやましい、腹立たしい。
例文: あまりにねたき言の葉かな。
現代語訳: あまりにもしゃくにさわる言葉だなあ。

 

23. らうたし
かわいらしい、愛らしい(=うつくし に近い)。
例文: らうたく遊びゐたるを。
現代語訳: 愛らしく遊んでいるのを。

 

24. おもしろし
興味深い、風情がある、楽しい。
例文: おもしろき春の景色かな。
現代語訳: 風情ある春の景色だなあ。

 

25. すさまじ
興ざめだ、つまらない、寒々しい。
例文: すさまじきもの、昼ほゆる犬。
現代語訳: 興ざめなもの、昼に吠える犬。

 

26. こころやすし
安心できる、気がねしない。
例文: 心やすく語らふ人なり。
現代語訳: 気さくに話せる人である。

 

27. こころづきなし
気にくわない、気持ちが合わない。
例文: いと心づきなき御けはひ。
現代語訳: まったく気に入らないご様子。

 

28. こころづよし
安心できる、頼もしい、心強い。
例文: 心づよくも思ひけるかな。
現代語訳: 心強くも思ったことだなあ。

 

29. ものおぼえず
ぼうっとして正気を失う、気が動転する。
例文: あまりのことに、ものおぼえず。
現代語訳: あまりの出来事に、正気を失った。

 

30. やるかたなし
思いを晴らす方法がない、どうしようもない。
例文: やるかたなく泣きぬ。
現代語訳: どうしようもなく泣いた。

 

31. なやまし
気分が悪い、つらい。
例文: 今日はなやましき身なり。
現代語訳: 今日は具合が悪いのだ。

 

32. おどろおどろし
気味が悪い、おおげさだ、ぞっとする。
例文: おどろおどろしく鳴る雷。
現代語訳: 恐ろしげに鳴る雷。

 

33. あいなく
なんとなく、わけもなく、つまらない。
例文: あいなく泣きぬ。
現代語訳: わけもなく泣いた。

 

34. すごし
もの寂しい、ぞっとするほど静かだ。
例文: すごき夕暮れの景色。
現代語訳: もの寂しい夕暮れの景色。

 

35. つれなし
平然としている、素知らぬ顔だ、冷淡だ。
例文: つれなく見ゆる人の心。
現代語訳: 素っ気なく見える人の心。

 

② 状態・性質・程度をあらわす言葉

「美しい」「ひどい」「とても〜」など、ものごとの性質や様子、程度をあらわす語です。
古文では、景色や人の様子を豊かな形容詞や副詞で表現します。ここでは「いみじ」「いと」「やさし」など、状態や程度を的確に伝える単語を取り上げます。読解や和歌の味わいを深めるために重要な語群です。

 

1. いと
とても、たいそう。程度を強める副詞。
例文: いとをかし。
現代語訳: とても趣がある。

 

2. いみじ
とてもすばらしい/とてもひどい。文脈によって良悪両方の意味がある。
例文: いみじきことかな。
現代語訳: なんとすばらしいことだろう。

 

3. おぼつかなし
はっきりしない、気がかりだ、心もとない。
例文: おぼつかなく思ひたまふ。
現代語訳: はっきりせず、気がかりに思います。

 

4. めづらし
すばらしい、めったにない、新鮮で心ひかれる。
例文: めづらしき人の来たりけり。
現代語訳: めったにないような人が来た。

 

5. やさし
上品だ、優美だ、恥ずかしい(身が縮むような感じ)。
例文: やさしきふるまひなりけり。
現代語訳: 上品なふるまいであった。

 

6. ありがたし
めったにない、すばらしい。
例文: ありがたき幸ひなり。
現代語訳: めったにない幸運だ。

 

7. うるはし
整って美しい、端正だ。
例文: うるはしく咲きたる花。
現代語訳: 端正に咲いている花。

 

8. つれづれなり
退屈だ、所在ない、手持ちぶさたである。
例文: つれづれに物思ふ。
現代語訳: 退屈で物思いにふける。

 

9. むげなり
最低だ、ひどい、まったく~ない(むげに~ず)。
例文: むげなる仕打ちなり。
現代語訳: ひどい仕打ちである。

 

10. なべて
すべて、おしなべて。全体にわたるようす。
例文: なべて心ある歌。
現代語訳: 全体的に情趣ある歌。

 

11. やがて
そのまま、すぐに。副詞として時間や状態の連続を表す。
例文: やがて帰りぬ。
現代語訳: そのまま帰ってしまった。

 

12. うしろめたし
気がかりだ、不安だ。
例文: うしろめたき心にて。
現代語訳: 気がかりな気持ちで。

 

13. けし
異様だ、普通とちがう。
例文: けしき悪し。
現代語訳: よくない様子だ。

 

14. あやし
不思議だ、見苦しい、身分が低い(意味が複数あり注意)。
例文: あやしき姿なり。
現代語訳: 見苦しい姿だ。

 

15. わびし
つらい、苦しい、もの悲しい。
例文: わびしき世なりけり。
現代語訳: つらい世の中であった。

 

16. あてなり
上品だ、高貴だ。
例文: あてなる人のふるまひ。
現代語訳: 上品な人のふるまい。

 

17. いやし
下品だ、身分が低い。
例文: いやしき者の言葉。
現代語訳: 身分の低い者の言葉。

 

18. けうとし
よそよそしい、気味が悪い。
例文: けうとき客人(まろうど)。
現代語訳: よそよそしい来客。

 

19. たけし
勇ましい、たくましい。
例文: たけき武者の装い。
現代語訳: たくましい武士の姿。

 

20.まめなり
意味:誠実だ、まじめだ、実用的だ
例文:まめなる人の忠義。
現代語訳:誠実な人の忠義。

 

21. あらまほし
理想的だ、あってほしい。
例文: あらまほしき人のけはひなり。
現代語訳: 理想的な人のようすだ。

 

22. うし
つらい、いやだ、苦しい。
例文: 世の中うしと思ひけり。
現代語訳: 世の中がつらいと思った。

 

23. をこなり
愚かだ、ばかげている。
例文: をこなる者の言葉。
現代語訳: 愚かな者の言葉。

 

24. すずろなり
なんということもない、思いがけない。
例文: すずろに昔を思ひ出でて泣かれぬ。
現代語訳: なんということもなく昔を思い出して泣いてしまった。

 

25. あながちなり
強引だ、むやみに。
例文: あながちなる言の葉かな。
現代語訳: 強引な言葉だなあ。

 

26. あらはなり
あらわだ、まる見えだ。
例文: あらはに聞こゆる声。
現代語訳: はっきりと聞こえる声。

 

27. さうざうし
もの足りない、寂しい
例文: 君のいませぬ夜は、さうざうしきことなり。
現代語訳: あなたがいない夜は、なんとなく寂しいものです。

 

28. あだなり
浮気だ、誠実でない、はかない。
例文: あだなる契りを結ぶ。
現代語訳: はかない約束を結ぶ。

 

29. ねんごろなり
丁寧だ、親密だ、心がこもっている。
例文: ねんごろに言ひ聞かす。
現代語訳: 心をこめて説明する。

 

30. いたづらなり
無駄だ、むなしい、何もしない。
例文: いたづらに日を送る。
現代語訳: むなしく日々を過ごす。

 

31. しるし
明白だ、はっきりしている(形容詞的用法)。
例文: 効験しるしきことなり。
現代語訳: 効果がはっきりしていることだ。

 

32. かたくななり
意味:無骨だ、教養がない、情緒を解さない。
例文: かたくななる人は歌をも読まず。
現代語訳: 無骨な人は和歌なども詠まない。

 

33. こころもとなし
意味:気がかりだ、不安だ、待ち遠しい。
例文: こころもとなく思ひわづらふ。
現代語訳: 気がかりで悩む。

 

34. たのもし
意味:信頼できる、安心できる、期待できる
例文:たのもしき人のけはひなり。
現代語訳:信頼できそうな人のようすだ。

 

35. こころぼそし
心細い、不安だ。
例文: こころぼそく暮らす。
現代語訳: 心細く日々を過ごす。

 

36. こころやまし
不愉快だ、気にくわない。
例文: こころやましき人の態度。
現代語訳: 不愉快な人の態度。

 

37. こころづくし
心を使い果たすこと、思い悩むこと。
例文: こころづくしの文(ふみ)なり。
現代語訳: 思いを尽くした手紙である。

 

38. つれなき
そっけない、冷淡な。
例文: つれなき人のふるまひ。
現代語訳: 冷たい人のふるまい。

 

39. ことごとし
意味:大げさだ、仰々しい。
例文: ことごとしき物言ひかな。
現代語訳: 大げさな言い方だなあ。

 

40. ことなり
異なっている、別である。
例文: 前とはことなる姿なり。
現代語訳: 以前とは異なる姿である。

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