5. 福を呼び込む縁起の良い言葉
新年にふさわしいのは、運気を高め、福を招く言葉です。
「開運」「招福」「瑞祥」「一陽来復」などは、古くから正月の書き初めで使われてきた定番の表現です。飾るだけでも明るく前向きな気持ちをもたらし、運を呼び込むといわれています。
- 開運(かいうん)
運気を開くこと。新しい年や人生の転機に希望をもたらす言葉。 - 招福(しょうふく)
福を招くこと。幸福を呼び込む行いを意味する吉祥語。 - 瑞祥(ずいしょう)
めでたい兆し。古典では「瑞祥の雲」など吉兆を示す表現に使われる。 - 一陽来復(いちようらいふく)
冬が終わり春が訪れること。困難のあとに幸運が戻るという意味を持つ。 - 千客万来(せんきゃくばんらい)
多くの客が絶えず訪れること。商売繁盛の象徴。 - 大吉(だいきち)
最も良い運勢を表す語。おみくじなどでも広く知られる吉祥の象徴。 - 弥栄(いやさか)
ますます栄えること。祝詞や古典で繁栄を願う際に用いられる。 - 松竹梅(しょうちくばい)
めでたい三種の植物。長寿と節操の象徴として使われる。 - 宝船(たからぶね)
七福神が乗る船。正月飾りや書き初めで福を呼ぶ象徴。 - 福寿(ふくじゅ)
幸福と長寿。祝い事全般で好まれる言葉。 - 慶春(けいしゅん)
春を祝うこと。新年を迎える喜びを表す雅語。 - 万福(まんぷく)
あらゆる幸福が満ちること。書にしたときの構図が美しい。 - 吉祥(きっしょう)
幸運の兆し。仏教や古典に由来し、縁起の良い意味を持つ。 - 嘉祥(かしょう)
よい兆し、めでたいしるし。古語では祝い事に多用された。 - 寿(ことぶき)
長寿や祝いを意味する漢字一字。新春の書き初めの定番。 - 福(ふく)
幸福を象徴する一字。筆の勢いで福を招く願いを込める。 - 景福(けいふく)
美しく幸多いこと。古典的な祝いの語として使われる。 - 慶雲(けいうん)
めでたい雲。吉兆の象徴として古代から書画に描かれた。 - 招財進寶(しょうざいしんぽう)
財を招き富を得ることを表す中国由来の吉語。 - 長寿(ちょうじゅ)
健康で長生きすること。新春や祝いの書によく選ばれる。
6. 季節の情景を感じる言葉
自然や季節を題材にした言葉は、書道作品に詩的な美しさを与えます。
「初日の出」「春風」「梅花」「雪月花」などは、年の始まりや春の訪れを感じさせる美しい語です。書く人の感性がそのまま筆に表れ、飾るだけで四季の移ろいを感じさせます。
- 初日の出(はつひので)
一年の始まりに昇る朝日。希望と再生を象徴する新春の代表語。 - 初夢(はつゆめ)
新年最初の夢。吉兆を占うものとして古くから親しまれる。 - 春光(しゅんこう)
春のやわらかな光。生命の息吹と新しい始まりを感じさせる語。 - 梅花(ばいか)
春を告げる梅の花。忍耐と気高さを象徴する季語。 - 東風(こち)
春を運ぶ穏やかな風。古くから和歌や俳句に詠まれてきた。 - 雪月花(せつげっか)
自然の美を表す伝統的な語。雪・月・花という日本的情緒の象徴。 - 若松(わかまつ)
新春に飾られる松。若さと長寿を意味する縁起の良い言葉。 - 春風(しゅんぷう)
春に吹くやさしい風。希望や再生を感じさせる表現。 - 初空(はつぞら)
年の初めの空。晴れやかな心を映す新春の情景語。 - 青松(せいしょう)
青々とした松。変わらぬ節操と永遠の生命力を象徴する。 - 鶴亀(つるかめ)
鶴は千年、亀は万年。長寿と吉祥の象徴として祝い事に使われる。 - 春霞(はるがすみ)
春の野山をおおう淡い霞。やわらかな筆致に映える幻想的な表現。 - 初春(しょしゅん)
新しい年の始まり。書き初めの題材として最も定番の一つ。 - 瑞雲(ずいうん)
吉兆を示すめでたい雲。仏教絵画や書にも多く見られる。 - 花明り(はなあかり)
満開の桜が周囲を照らすように明るく見える情景。日本的な美の象徴。 - 新緑(しんりょく)
春から初夏にかけての若葉の色。生命力と再生を感じさせる語。 - 春景(しゅんけい)
春の美しい景色。穏やかな季節感を表す書に向いている。 - 芳春(ほうしゅん)
花の香り漂う春。古典で「めでたい春」として使われた上品な語。 - 光風(こうふう)
光と風が調和する穏やかな気候。清らかで優雅な印象をもつ。
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