古文単語300語一覧|中高生のための古文学習

古文単語300語一覧|中高生のための古文学習 国語
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⑥ 自然・時間・場所に関わる言葉

時間の流れや場所、季節感をあらわす語で、物語の背景や雰囲気づくりに使われます。
「ほど(時間・距離)」「けしき(様子・景色)」「あした(朝)」など、自然や時間、空間を表現する古語を集めました。古典の世界では、時間の流れが非常に詩的に表現されるため、これらの語は重要な役割を持ちます。

 

1. はる(春)
春。自然描写の中心となる季節。
例文: 春はあけぼの。

 

2. なつ(夏)
夏。生き物や昼夜の描写によく登場。
例文: 夏は夜。

 

3. あき(秋)
秋。哀愁や物悲しさを表現する際に多用される。
例文: 秋は夕暮れ。

 

4. ふゆ(冬)
冬。寒さや寂しさの象徴。
例文: 冬はつとめて。

 

5. あけぼの(曙)
夜明け。春の風物として有名。
例文: 春はあけぼの。

 

6. ゆふぐれ(夕暮れ)
日が沈む頃。情緒や寂しさを感じさせる時間帯。
例文: 秋は夕暮れ。

 

7. あした(朝)
朝、特に早朝。
例文: あしたに人の来たりけり。

 

8. よひ(宵)
日が暮れて間もない時間。
例文: 宵の口に出でけり。

 

9. よる(夜)
夜。恋や不安、心の動きと結びつけて描かれる。

 

10. つとめて
早朝。冬の風物詩として登場。
例文: 冬はつとめて。

 

11. けさ(今朝)
今朝、今の朝。

 

12. ゆふべ(夕べ)
夕方、夕暮れどき。

 

13. ほど(程)
時間・空間・関係などの幅広い意味をもつ語。
例文: しばしのほど。=しばらくの間。

 

14. をり(折)
時・折・機会。
例文: 花の咲けるをり。=花が咲いている時。

 

15. ころ(頃)
時期、時間帯。
例文: 秋のころ。

 

16. うつろふ
色あせる、移り変わる(主に花・季節に使う)。
例文: 花のうつろふを惜しむ。
現代語訳: 花が散っていくのを惜しむ。

 

17. くも(雲)
雲。現実と理想の間をつなぐ象徴としても使われる。

 

18. そら(空)
空。天候や気分の描写に使われる。

 

19. つき(月)
月。古典文学において特に重要な自然要素。
例文: 月のいと明かきに。=月がとても明るいので。

 

20. ほし(星)
星。和歌・夜の情景によく登場。

 

21. はな(花)
花。特に桜を指すことが多い。
例文: 花の色はうつりにけりな。=花の色は色あせてしまった。

 

22. かげ(影)
光、姿、面影。月や日の光の意。
例文: 月のかげ。=月の光。

 

23. けしき(気色)
様子、気配、顔色、天候。文脈で多様な意味を持つ。

 

24. みやこ(都)
平安京、または中心地。
例文: 都にて聞こえたる人。=都で評判の人。

 

25. さと(里)
田舎、離れた場所。特に宮仕えから帰る実家など。

 

26. やま(山)
山。季節の情景や心情の比喩としても使われる。

 

27. かわ(川)
川。和歌や情景描写に頻出。

 

28. の(野)
野原。自然の広がりや静けさを表現。

 

29. あめ(天・雨)
空・天・または雨。
※「あま」は天の神、「あめ」は空や雨の現象。

 

⑦ 否定・推量・反語などの表現

「〜ない」「〜だろう」「まさか〜か?」など、文の意味を調整する語です。
「さらに〜ず」「べし」「まじ」「やは(反語)」など、文法的な意味を強調したり否定したりする語が多く含まれます。入試でも出題されやすい文意把握に関わる重要表現が集まっています。

 

1. ず
打消の助動詞。「〜ない」。
例文: 来ず。=来ない。

 

2. で
打消の接続助詞。「〜ないで」。
例文: 知らで言ふな。=知らないで言うな。

 

3. さらに〜ず
「まったく〜ない」。強い否定を表す副詞+助動詞。
例文: さらに聞かず。=まったく聞かない。

 

4. つゆ〜ず
「少しも〜ない」。副詞「つゆ」に打消を伴う。
例文: つゆ知らず。=少しも知らない。

 

5. よに〜ず
「決して〜ない」。強い否定。
例文: よに許さず。=決して許さない。

 

6. いと〜ず
「たいして〜ない」。やや弱い否定。
例文: いと知らず。=あまり知らない。

 

7. や
疑問・反語の係助詞。「〜か?」または「〜だろうか、いや、〜ない」。
例文: あらんや?=あるだろうか、いや、ない。

 

8. やは
反語の係助詞。「〜か、いや、〜ない」。
例文: 人にあらんやは。=人であろうか、いや、ない。

 

9. か
疑問・反語を表す助詞。「〜か」。
例文: 来るか。=来るのか?

 

10. にや
「〜であろうか」。疑問や推量を表す語。
例文: 春になりにや。=春になったのだろうか。

 

11. こそ

強調や逆接(已然形を伴う)。
例文: これこそよけれ。=これこそ良いのだ。

 

12. 
順接・仮定条件。「〜ので」「〜ならば」。
例文: 春なれば花咲く。=春であるので花が咲く。

 

13. なむ
強意・願望。「〜てほしい」「〜せよ」。
例文: 行きなむ。=ぜひ行ってほしい。

 

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