光は直進しますが、物体にあたって反射したり、違う物質に進むとき屈折したりします。
ここでは、中学1年の理科で学習する『光』について要点をまとめましたので、光の性質や特徴を学んでいきましょう。
光の進み方
みずから光を出す電灯や太陽のことを光源といい、光は、空気、水、ガラスなど均一な物質中では直進するという性質を持ちます。
- 光源:自ら光を出す物体。電球、炎、太陽など
- 光の直進:光は同じ物質を通るとき直進する
光はいつもまっすぐに行くわけではありません。光が何か物に当たると、その光は反射して、別の方向に跳ね返ります。そして、光が空気から水みたいな、別の種類の物質に入るときは、屈折という現象が起こって、光の進む道が曲がることもあります。
反射
光が鏡や水面に当たるとき 光は反射する。
反射の法則:入射角=反射角
- 入射角…鏡などの面に垂直な直線と入射光との角度
- 反射角…鏡などの面に垂直な直線と反射光との角度
- 入射光…鏡などに向かってくる光。
- 反射光…鏡などで反射してでていく光。
全反射
光が物質から空気中へ進むとき、入射角がある程度以上大きくなると空気中へ出ていく光がなくなり、すべて境界面で反射してしまう現象。
乱反射
乱反射は、光が凹凸のある表面、つまりでこぼこした物体に当たると、いろいろな方向にバラバラに反射してしまう現象のことです。
屈折
屈折は、光が空気から水やガラスなど、別の種類の物質へと進む際に、その境界面で光の進行方向が変わる、つまり「曲がる」現象を指します。これは、異なる物質を通るとき光の速度が変わるために起こります。例えば、光が空気から水に入ると、速度が遅くなり、その結果、光の進路が変わって見えるんです。これが、たとえば水中の棒が曲がって見えたり、プールの底が浅く見えたりする理由です。
- 光が空気中から他の物質に入るとき 光は屈折する。
光が空気中から他の物質に入るとき:
入射角 > 屈折角
- 光が1つの物質から空気中に出るとき 光は屈折する。
光が1つの物質から空気中に出るとき
入射角 < 屈折角
鏡の像
鏡に映る像は、まるで鏡の中にもう一つの世界があるかのように、物体を忠実に反映します。この像は、元の物体と全く同じ大きさで、鏡までの距離も物体と像で同じになります。さらに面白いことに、この像は物体と完全に面対称になっていて、左右が逆に見えるんです。だから、文字を鏡に映すと、文字が逆さまに見えるわけです。これが、鏡を使って自分の姿を見るときや、物を鏡で見るときの不思議な体験の原因ですね。
凸レンズ(とつれんず)
光軸と焦点
凸レンズ(とつれんず)は、虫眼鏡のように、ふちよりも中心の方が厚いレンズのことです。
凸レンズを使うと、光を一点に集めることができます。このとき、レンズを通過する光の進む道を「光軸」と呼びます。光軸は、レンズの中心を通る想像上の直線です。そして、レンズを通って集まった光が一点に集中するその点を「焦点」と言います。
具体的には、凸レンズの中心よりも厚い部分が、光を曲げて光軸上の特定の点に集めます。虫眼鏡で太陽光を紙に集めて火を起こせるのは、この原理によるものです。太陽光が凸レンズを通過し、焦点で集中するため、その点が非常に熱くなります。この焦点の位置は、レンズの形や材質によって変わりますが、物体と像を作る際に非常に重要な役割を果たします。
- 光軸:凸レンズの中心を通り、レンズの面に垂直な直線のこと。
- 焦点:光軸に平行な光を凸レンズに当てたときに通る光軸上の点。 前後に1つずつある。
- 焦点距離:レンズの中心から焦点までの距離。厚い凸レンズほど短く、薄い凸レンズほど長い。
凸レンズを通る光線の進み方
レンズの中心を通る光線
凸レンズの「中心を通る光」は、「直進」する。
レンズの両面が平行になっている部分を通過する光は、レンズの屈折の影響を受けずに直進します。これは、レンズの中心部が光の進路を変えるのに十分な屈折を起こさないからです。したがって、この光線はレンズを通過した後も元の方向を保ち続けます。
光軸と平行な光線
凸レンズの「軸に平行な光」は、屈折して反対側の「焦点」に集まる。
凸レンズに光軸と平行に入射する光線は、レンズを通過した後、レンズの形状によって屈折され、レンズの反対側にある焦点に集まります。これは凸レンズが持つ最も重要な性質の一つで、光線を一点に集中させることができるため、虫眼鏡で太陽光を一点に集めて火をつけたり、カメラのレンズで光をセンサー上に集めて鮮明な画像を得たりすることができます。
焦点を通った光線
凸レンズの「焦点を通る光」は、屈折して、凸レンズの光軸に「平行」に進む。
凸レンズの一方の焦点を通って入射する光線は、レンズを通過した後、光軸と平行な方向に屈折して進みます。これは、焦点から来た光がレンズによって曲げられ、レンズの反対側で光軸に平行な線として出ていくためです。
凸レンズがつくる像
実像
物体からの光がレンズを通してスクリーンに映る像。
凸レンズの場合は物体の上下左右が逆になった倒立の像。光が当たってスクリーンに 映すことができる像のこと。
凸レンズを通過した光が実際に一点に集まり、スクリーン上に映し出される像のことです。この像は、物体から出た光がレンズを通じて反対側の焦点で交差し、スクリーン上に実際に形成されます。そのため、「実像」と呼ばれます。
虚像
焦点より内側に物体を置いて、レンズを通して物体をみると物体より大きい像が見える。
虚像は物体より大きい正立の像。虫眼鏡などを通して拡大して見ているのが虚像です。
虚像は、物体からの光がレンズを通過した後、実際には交わらないが、視覚的には交わるように見える点から来ているように見える像のことです。特に、凸レンズで焦点よりも内側に物体を置いた場合に見られます。この状況では、レンズを通過した光線が拡散し、レンズの後ろで実際には交わらず、目やカメラで捉えた場合、光線がレンズの前方で交わっているかのように見えます。
虚像は物体の実際の位置よりも大きく、正立して見えます。これは虫眼鏡を使って小さな文字を読むときや、拡大鏡を使って詳細を見るときに経験する現象です。虚像は、実際には空間のどこにも存在しないため、スクリーンに映し出すことはできません。この性質から「虚像」と呼ばれます。ただし、目やカメラなどを使って直接見ることができます。これにより、物体を大きく見せることができるため、虫眼鏡や拡大鏡といった道具でよく利用されます。
要点
1 光の性質
- 光は『直進』する
- 光は『反射』する
- 『入射角』と『反射角』は等しい
- 光は『屈折』する
- 入射角がある角度より大きくなると光は『全反射』する
- 物体が鏡などに写って見えるものを『像』という
2 凸レンズの性質
- 凸レンズの『中心を通る光』は、『直進』する
- 凸レンズの『光軸に平行な光』は、屈折して反対側の『焦点』に集まる
- 凸レンズの『焦点を通る光』は、屈折して光軸と『平行』に進む
3 凸レンズの像
- 物体が焦点の外側にあると『実像』ができる
- 物体が焦点の内側にあると『虚像』ができる
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