半径がわかると、円や球だけでなく内接正多角形や扇形など、さまざまな図形の公式がシンプルに求められます。ここでは、基本的な円周や面積、球の表面積・体積から、内接正多角形や扇形の公式まで、半径がわかれば計算できる公式を分かりやすく解説します。
半径だけで求められる公式 一覧
1. 円の公式
円の直径
$d = 2r$
説明:
円の直径は、円の中心を通る最長の線分であり、半径の2倍です。円の直径は、円の中心を通る最長の線分であり、円周上の両端点を結びます。直径は半径の2倍であるため、円の大きさを測る際の基本的な尺度となります。
円の周の長さ(円周)
$C = 2\pi r$
説明:
円周は、円の境界の長さを表します。円周率 $π$ は無理数で約3.14159とされ、円周は直径に $π$ をかけたものとも表現されます。半径が分かれば、円の全体の長さが簡単に求められます。
円の面積
$A = \pi r^2$
説明:
円の面積は、円が占める平面の広さを示します。半径 $r$ の二乗に $\pi$ をかけることで算出され、円の大きさや領域の計算に使われます。
2. 球の公式
球の表面積
$S = 4\pi r^2$
説明:
球の表面積は、球の全表面の面積を示します。円の面積の概念を拡張し、全方向に広がる球面の大きさを評価するための公式です。半径 $r$ を二乗し、4倍の $\pi$ をかけることで求められます。
球の体積
$V = \frac{4}{3}\pi r^3$
説明:
球の体積は、球が占める空間の大きさを表します。半径 $r$ を三乗した後、$\frac{4}{3}\pi$ をかけることで計算され、物体の内部の容積や質量計算に応用されます。
3. 内接正多角形の面積
内接正多角形は、円の内部に全ての頂点が接している正多角形です。辺の数 $n$ が与えられると、その面積 $A$ は次の公式で求められます。
$A = \frac{n}{2}r^2\sin\left(\frac{2\pi}{n}\right)$
説明:
- この公式は、円に内接する正多角形を $n$ 個の等しい三角形に分割して、その面積の合計を計算する考え方に基づいています。
- 各三角形の頂点は円の中心で、底辺は円周上の隣接する2点です。
- $\sin\left(\frac{2\pi}{n}\right)$ は、各三角形の頂角に関連する正弦関数であり、角度が小さいほど三角形の面積も小さくなります。
具体例:
-
内接正六角形$( n = 6)$
$A = \frac{6}{2} \, r^2 \, \sin\left(\frac{2\pi}{6}\right)$
なので、
$A = 3r^2 \times \frac{\sqrt{3}}{2} = \frac{3\sqrt{3}}{2} \, r^2$
説明:
内接正六角形は、6つの合同な三角形に分割でき、各三角形の面積を合計することで全体の面積が求められます。 -
内接正三角形 $(n = 3)$
$A = \frac{3}{2} \, r^2 \, \sin\left(\frac{2\pi}{3}\right)$
なので、
$A = \frac{3}{2} \, r^2 \times \frac{\sqrt{3}}{2} = \frac{3\sqrt{3}}{4} \, r^2$
説明:
内接正三角形は、3つの等しい三角形に分割でき、中心角が120°となるため、正弦関数の値が計算に利用されます。
4. 扇形の面積
$A = \frac{1}{2}r^2\theta$
($\theta$ はラジアンでの中心角)
説明:
扇形は、円の一部で、中心角 $\theta$ に対応する部分です。
- 公式 $ \frac{1}{2}r^2\theta $ は、円全体の面積 $ \pi r^2 $ のうち、中心角 $ \theta $ が占める割合 $ \frac{\theta}{2\pi} $ を掛け合わせたものと考えられます。
- この公式は、扇形の面積が半径の二乗と中心角に比例することを示しており、中心角が大きいほど扇形の面積も大きくなります。
コメント